Re: 貸倒引当金 ( No.1 ) |
- 日時: 2007/01/20 19:34
- 名前: 緑葉
- 1.資産のマイナスです。
売掛金が100で貸倒引当金が1ならば、売掛金の回収可能見込額が99ということです。
2.そうです。 戻入は、貸倒の発生が見込みより少なかったので引当金が余った、ということです。 繰入は費用で戻入は収益です。
ここからは難しい話になります。 わからなければ飛ばしてください。 現在の会計では、人為的に会計期間を区切った期間損益計算を行っています。 ここで費用・収益対応の原則というものがあります。 これはある期間に実現した収益に費用を対応させようというものです。
前期に発生した売掛金に対応する収益は前期の売上です。 この売掛金が当期に貸し倒れて費用になった場合は、 この費用は前期の収益に対応させなければなりません。 そのために、あらかじめ前期末に貸倒引当金繰入という費用を計上しておきます。 このときに貸倒引当金繰入の相手科目として貸倒引当金が出てきます。
当期に発生した売掛金に対応する収益は当期の売上です。 この売掛金が当期に貸し倒れて費用になった場合は、 この費用は当期の収益に対応させなければなりません。 したがって貸倒損失という当期の費用にします。
これが、当期に発生した売掛金が貸し倒れた場合は貸倒損失とし、 前期に発生した売掛金が貸し倒れた場合は貸倒引当金を使う理由です。
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Re: 貸倒引当金 ( No.2 ) |
- 日時: 2007/01/20 20:10
- 名前: ぷりん
- 早速のご回答ありがとうございます。
資産のマイナスなんですね。だから精算表でも貸借対照表のほうに書くんですね。納得です。
前期に発生した売掛金が貸し倒れて損失が発生したケースでは、厳密には当期の損失ではない、…というのは、頭ではわかった気がします。。感覚的には、まだもやっとしているのですが、慣れの問題と思います。
当期の損失は当期の費用だけど、前期の損失は当期の費用ではないから、これをどう表現しようかというところで、貸倒引当金というのが出てくるのですね。
…とすると、実際には、どのくらい貸倒を見積もるかというのがすごく難しい気がするのですが、現実には、どのようにして見積もっているのでしょうか。
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Re: 貸倒引当金 ( No.3 ) |
- 日時: 2007/01/20 22:44
- 名前: ケン
- 貸倒引当金の見積もりは通常過去の貸倒実績率によって算出します。
貸倒引当金の設定額は1級の範囲ですが一応コメントしておきます。但し、学問上の話であり、実務での計上基準は不明です。
一般的には実際に過去に貸倒れた割合の平均%です。 後は調子の良くない会社や実質倒産してしまったような会社の売掛金に関しては数十%〜100%設定します。
要するに もうダメ会社の売掛金には100% ややダメかも会社の売掛金には50%(試験上50%が多い) 普通の会社は過去の平均
と言ったところです
他にもややこしい計算方法がありますが省きますm(__)m
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Re: 貸倒引当金 ( No.4 ) |
- 日時: 2007/01/20 23:27
- 名前: きりん
- 参照: http://blog.livedoor.jp/arn1582/?blog_id=2124162
- 横から、参考までに
過去の実績率がない新たに設立した会社ではどうするかというと、 同業他社の設定率等を参考にして設定したりします。
実務では試験上の知識とはまた違う対応が求められることが多々あるのがつらいところです
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Re: 貸倒引当金 ( No.5 ) |
- 日時: 2007/01/21 16:25
- 名前: ぷりん
- ケン様、きりん様、丁寧なご回答ありがとうございます。
皆様のおかげで、貸倒引当金のイメージがなんとなくつかめてきました。ありがとうございます。
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Re: 貸倒引当金 ( No.6 ) |
- 日時: 2007/01/22 19:54
- 名前: 某社経理部員
- >当期の損失は当期の費用だけど、前期の損失は
>当期の費用ではないから、これをどう表現しよう >かというところで、貸倒引当金というのが出てくる >のですね。
う、ちょっと微妙にニュアンスが違う気がしたのでご連絡させていただきますと、
いったん計上した売上に対応する売掛金が、例えば客先が倒産して回収できなくなった場合に、 (仕訳A) 借方・・貸倒損失(費用) 貸方・・売掛金(資産) で、債権を費用に落とす必要が出てきます。で、客先の倒産が前期以前にある程度予測できていたら、予め、 (仕訳B) 借方・・貸倒引当金繰入額(費用) 貸方・・貸倒引当金(資産。ただし控除項目) という仕訳が計上されるべきであり、そうすると、本当に倒産しちゃった時には、仕訳Aと同時に、 (仕訳C) 借方・・貸倒引当金(資産) 貸方・・貸倒損失(費用) を計上することで、損失をチャラにする(正確には、早めに損失を計上しておくことで、将来の損失計上リスクを逃れる)ことができる、ということです。つまり、「貸倒引当金繰入額」は、来期以降に実現する費用と言えるかもしれません。 ちなみに、貸倒見積高の計算は、超ウザイです。100%積めるほど条件が整ってたら楽なんですが、ほとんどの場合は微妙な判断を求められるし、税務上の損金には算入できないので、一時差異にして繰延税金資産を計上するという手順を踏まなければなりません。
これだけ書いててなんですが、私、簿記の勉強ってしたことないんです。会社で経理の仕事をやってるんで、実務上の経験に基づいてコメントしました。教科書に書いてあることと違うようでしたら、ごめんなさい。
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Re: 貸倒引当金 ( No.7 ) |
- 日時: 2007/01/23 20:26
- 名前: ゆうすけ
- 貸倒れの仕訳は2通りあると思います。(私が知ってる範囲での話ですが。)
前期発生の売上債権が貸倒れた時に、 「前期末に設定した貸倒引当金を取り崩す方法」と 「貸倒れ時は貸倒損失を使って仕訳を行い、決算で貸倒引当金と相殺する方法」です。
1つ目の方法が緑葉さんが説明していたもので、2つ目の方法が某社経理部員さんが説明していたものです。
どちらも正しい処理方法だと思いますが、簿記検定では、1つ目の方法が出題されています。
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