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3級仕訳問題第2回の問4について
日時: 2007/11/06 14:24
名前: てんぱる 

117回受験に向けて勉強中ですが、本サイトの簿記3級仕訳問題第2回の問4について質問があります。

問題>
当期首に売り上げた売掛金¥100,000が期中で回収不能となり、全額貸倒れとして処理した。
なお期首における貸倒引当金の残高は¥55,000であった。

自分の回答>
まんまと引っ掛けにひっかかって以下のように回答しました
借)貸倒引当金 55,000 貸)売掛金 100,000
  貸倒損失  45,000

正解>
借)貸倒 100,000 貸)売掛金 100,000

【質問】
解説には「〜、当期に売り上げた債権の回収不能については、その貸倒引当金の相殺はされない」とあり、全て「貸倒損失」で仕訳するとの事ですがいまいち納得できません。
「貸倒引当金」は確かに前期末の債権残高に対して見積もりますが、残高がある場合は翌期の債権が貸倒れしても使えるのではないのでしょうか??

貸倒の問題は苦手なので混乱してしまいます・・・
貸倒発生時に、「貸倒引当金」の残高が使用出来る場合と出来ない場合について解説いただけませんでしょうか。
宜しくお願い致します。

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Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.1 )
日時: 2007/11/07 01:52
名前: 管理人 林◆EuyWOwwmsMo 

てんぱるさん、初めまして。作成者の林と申します。

質問内容を拝読してよく勉強されていると感心しました。
この問題は3級の問題としては難易度は高いと思われます。
出来なくて全然OKです。下記に簡単に解説を加えますので何となく理解して下さい。


期首の貸倒引当金残高は前期以前に債権の未回収分を見積もって費用(貸倒引当金繰入)にした金額です。その見積りは実際どうだったのか・・・見積不足なのか見積過大なのかは当期以後にならないと分かりませんよね。そしてその不足・過大額を修正という形で計上して完結させるのが理想なんです。

つまり見積り不足だった場合・・・過年度見積不足額として追加費用に。
逆に、見積り過大だった場合・・・過去の費用の打ち消しとして修正仕訳を。


これが基本的な考え方です。
つまり決算までに貸倒引当金が残ってるケースは見積り過大だったわけで、修正が必要な訳なんです。

なので、貸倒引当金戻入という勘定は修正勘定としての意味合いがあります。
つまり理論的には洗替法が合理的だと思います。


逆に言えば当期に発生した債権が当期に回収不能になった場合は、見積りもへちまもなく、金額が確定しちゃってるのでそのまま貸倒損失を使って下さいということです。


あと見積り不足のケースも考えられます。もし問題が当期首に売り上げた売掛金でなく、前期以前に売り上げた売掛金¥100,000だとしたらどうでしょう。この場合はてんぱるさんの解答でも良さそうですが、厳密には貸倒損失は使わずに前期の修正という意味で「前期損益修正損」や「過年度貸倒不足額」などの勘定を使う方が合理的でしょう。


つまり、貸倒引当金を仕訳で使う時は、それに対応する前期以前の債権が動いた時に使用するように留意すれば良いと思います。
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.2 )
日時: 2007/11/07 02:27
名前: 管理人 林◆EuyWOwwmsMo 

補足ですが、いくら合理的といっても3級の問題ですと勘定科目は限定列挙されているので、例えば116回の第1問の4.みたいな問題ですと「貸倒損失」を使用せざるを得ません。


ついでなので、下記の問題もチャレンジしてみて下さい。。

問題1
当期にA社に売り上げた売掛金¥100,000が期中で回収不能となり、全額貸倒れとして処理した。
なお当社は当期に設立した会社である。


問題2
第2期になって問題1で貸し倒れた売掛金を全額現金で回収した。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


解答1

(貸倒損失)100,000 (売掛金)100,000


解答2

(現 金)100,000  (償却債権取立益)100,000




問題2の場合、第1期の貸倒損失として費用計上した修正という意味合いです。
貸方は「貸倒損失」とはしないで下さいね。
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.3 )
日時: 2007/11/07 02:50
名前: 管理人 林◆EuyWOwwmsMo 

最後に・・・

実は3級の範囲に洗替法は含まれていないので理解する事が難しかったかも知れませんね。

簿記3級仕訳問題第2回の問4のような問題は過去に出題されていないと思います。なのであまり気にする必要は無いかと思いますが、更に1級・税理士試験など上を目指される場合はいずれこのような話になってきますので、その時のお楽しみにして下さい。

117回の簿記検定は頑張って下さいね!
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.4 )
日時: 2007/11/07 11:04
名前: てんぱる 

おはようございます。てんぱるです。
丁寧に解説いただきありがとうございます。
また、昨日はあまりのてんぱりぶりにご挨拶もせず質問してしまった事をお許し下さい。

「洗替法」という新しい用語が出てきてまた混乱気味(すみませんっ)ですが

・当期に発生した債権が当期に回収不能になった場合は、
 見積りもへちまもなく、金額が確定しちゃってるのでそのまま貸倒損失を使う
・貸倒引当金を仕訳で使う時は、それに対応する前期以前の債権が動いた時に使用するように留意すれば良い

の2点をまずはしっかり覚えて試験に臨みたいと思います。
(返信のNO.2で出していただいた問題は何とか解けました!)

私は独学で受験するのでわからない事はこちらのサイトを参考に勉強させてもらっています。
3級が受かったら2級も目指したいので今後もよろしくお願いします。
私も体験記を載せられるように頑張りますっ
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.5 )
日時: 2007/11/07 20:12
名前: 名無し 

会社法の関連で、貸倒れの洗替法は無くなった様に記憶していたのですが、、、間違ってたらすみません。
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.6 )
日時: 2007/11/07 21:10
名前: ひはかり 

会社法は関係なし。
金融商品に係る会計基準(金融商品に関する会計基準)によって洗替法は事実上使用しなくなったので、日商の出題区分表から削除された。
もっとも3級ではもともと差額補充法のみだった。


貸倒引当金の計上根拠は費用収益対応の原則です。
前期の収益と前期の費用を対応させ、当期の収益と当期の費用を対応させ、適正な期間損益計算を行う。
だから期末にその期の費用とすべき金額を見積もってあらかじめ費用としておく。

前期に発生した債権は前期の収益に対応しているので、貸倒になった場合はあらかじめ前期の費用としていた貸倒引当金を使う。
当期に発生した債権は当期の収益に対応しているので、貸倒になった場合は当期の費用である貸倒損失とする。
Re: 3級仕訳問題第2回の問4について ( No.7 )
日時: 2007/11/08 10:30
名前: てんぱる 

おはようございます。
名無しさん、ひはかりさん、返信ありがとうございます。

洗替法は出題区分からなくなったとの事でほっと一安心してしまいました

ひはかりさん>>
とてもわかり易い解説をありがとうございました。良く理解できました。これからいろいろ過去問をといて確認してみます。

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