普通預金利息の計上処理

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第2回普通預金利息の計上処理

平成28年度改正の概要

平成28年1月より、法人に係る預金利息から特別徴収する地方税5%部分が廃止される事に伴い内容を改定致します。なお、廃止に伴う地方税を廃止前後で日割り計算する事はありません。また復興特別法人税が1年前倒しで既に廃止になっていることから経理処理的には随分と簡単になったと思います。本記事ではこれらを踏まえて内容を修正致します。

普通預金利息の入金がある月

会社で、又は自営業をやってる方で普通預金口座を利用しているところは多いと思います。日銀が平成28年2月18日よりマイナス金利政策を始めて預金利息が更に少なくなるとは思いますが、今後も銀行の普通預金口座に預けたお金に対して利息が発生し受け取る方向性で間違いないと思います。この受取利息ですが、銀行では2月と8月が計算月として半年分の利息を口座に振り込んでくれます。なので当然利息が発生すれば仕訳も発生するわけで、帳簿に記録しなければなりません。この計上方法について今回はお話します。

預金利息の入金額が80円だった場合

例えば入金額が80円だったとしましょう。実は利息にも税金が課せられて、所得税が15%、復興特別所得税が0.315%を差し引いて入金されているのです。利息に課せられた税金は合わせて15.315%ですが、去年までだとこれに地方税5%が課せられていました(合計20.315%)。通帳に記載されている普通預金利息はこれら税金を差し引いた純額が表示されているのです。

つまり預金利息として80円の入金額であった場合には、受取利息の金額は入金額ではなくて100%総額ベースに換算して仕訳を計上するのが理論的に正しい仕訳になります。

利息を100%に換算

実際の仕訳の書き方

それでは具体的に仕訳の書き方です。総額ベースの受取利息は94円でした。

また、実際の振込金額は80円で差額の14円は税金で天引きされていましたね。仕訳はどうしましょうか。問題は税金部分の勘定科目ですが、「租税公課」・「仮払税金」なども考えられますが、税引前当期純利益に対して課される法人税等の前払い的な性格を有することから「法人税等」を使うのが良いと思います。但し、最終的には申告書で調整可能なので顧問税理士さんによっては変わってくるかもしれません。また、天引きされている15.315%のうち15%は所得税部分、0.315%部分は復興特別所得税になるのですが、既に復興特別法人税が廃止されていますのでこれらは合算して「法人税等」で表示して良くなりました。何故なら復興特別所得税の額を所得税の額とみなして法人税額から控除出来るので、以前のように所得税部分と復興特別所得税部分を区分表示する必要性は無くなりました。

そこで最もノーマルな下記の仕訳を参考にしてください。

受取利息の仕訳

以前だと14円から復興特別所得税部分を別計算して区分表示していました。復興特別所得税部分については50銭以下切捨て、50銭超は切り上げという独特の計算方法で混乱しましたが今後は非常に簡単になりました。

仕訳をする際の具体的計算例

それでは実際に仕訳を行う際の計算手順について確認していきましょう。以前までに比べて預金利息の計算自体は簡単になっていることを確認して下さい。

具体的な計算方法

銀行から利息の案内ハガキが届いている場合はそちらで確認してみましょう。

ハガキが届かない銀行の場合は上記の方法で算出してみましょう。それでも納得いかない場合や心配な方は銀行に問い合わせると教えて貰います。利息の処理は実務独特なので経理初心者の方は一度は悩まれるのではないかと思われます(笑)。

個人事業者の場合の処理

最後に個人事業者の場合の処理です。個人事業者の場合の受取利息は利子所得になり事業所得の計算には関係させませんので、「事業主借」又は「店主借」勘定で処理するようにしましょう。

個人事業者の処理方法