■ 決算の処理 ■

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■ 決算ってなんだろう? ■

 いよいよ決算(けっさん)を見ていくことにします。ところでよく耳にする決算とは一体なんでしょうか?

 家計簿のところでも触れましたが、まず家計簿を付けっぱなしにする人はいないでしょう。証拠としては残りますがそれだけが目的ではないはずです。つまり、1ヶ月ごと位に集計を取ってみてどれ位のプラスマイナスが出ているのかを確かめてみないと今後のやりくりの指針にはならないからです。これは、簿記にも同じことがいえます。

 簡単にいうと今期はどれ位の利益が上がっているのか、または損を出しているのか。今現在の財産状況は一体どうなっているのかを把握するための計算手続きをいいます。

■ 試算表 ■

 それでは、次に試算表(しさんひょう)について見ていきましょう。またまた聞き慣れない表が出てきました。試算表とは一体何なのでしょうか?

 先ほどは勘定について学びました。その各勘定科目の残高を集計した計算表の事を試算表と呼びます。例えば現金勘定、借方残10,000円・借入金勘定、貸方残5,000円・・・・・を1つの計算表に集計するのです。

 試算表は、おもに期首に作成する繰越試算表および決算の際に作成する残高試算表などがあります。なぜ、試算表を作成するのでしょうか?

 それは仕訳を切ったと同時に各勘定に転記していくのですが、その時に転記ミスがあるのかどうかを確認するために作成されます。

資産表作成の流れ

 試算表には3つの種類があります。合計試算表・残高試算表・合計残高試算表です。簡単なイラストで紹介しておきますので、興味のある方は見てください。


   ★ 合計試算表 ★

   ★ 残高試算表 ★

   ★ 合計残高試算表 ★


■ 決算整理と精算表 ■

 それでは、決算手続きの具体的な処理方法を見ていきましょう。簿記では、一定期間の成果を確認するために損益計算書を作成し、現時点においてどれ位の財産を所持しているのかを確かめるために貸借対照表を作成する事は既に触れました。

 これらの書類を作成するための手続きを決算というのです。それでは、決算はいつ行うのでしょうか。大抵の問題では、一年ごとに行う一年決算を前提としています。この一年ごとに区切った期間のことを会計期間(かいけいきかん)といいます。

 会計期間が4月1日から3月31日までだとするといつが決算日になるか分かりますか?そうですね、3月31日ですよ。この日に決算を行います。

 決算の流れですが、決算日試算表を作成して各勘定口座に正しく転記されているならばそこから誘導的に損益計算書と貸借対照表を作成します。この作成過程を分かりやすく示した表の事を精算表(せいさんひょう)といいます。

 とりあえず精算表を見ていく前に、決算整理(けっさんせいり)について見ていくことにしましょう。決算整理とは何でしょうか?もう、読んで字の如くです。試算表から損益計算書や貸借対照表を作成するのですが、決算日に修正を行う仕訳があります。この修正仕訳の事を決算整理仕訳(けっさんせいりしわけ)と呼びます。

決算手続きの流れ

 精算表にもいくつかの種類があるのですが、検定試験において最も出題頻度の高い8桁精算表を紹介しておきますので興味のある方は見てください。

   ★ 8桁精算表 ★

■ 帳簿の締切と決算振替 ■

 決算において損益計算書や貸借対照表の作成と同時にいくつか大事な作業があります。それは、各勘定口座の締め切りです。勘定口座を各会計期間ごとに締め切らないと中身が膨大になる上、いつの会計期間の取引なのか分かりづらいのです。その為に各会計期間ごとにいったん締め切るのです。更に当期の純利益(損失)を資本金勘定に振り替える決算振替仕訳(けっさんふりかえしわけ)というのも行います。

 決算手続きには、先ほど見てきた決算整理ともう1つ見ていく決算振替というのがあります。これは、決算において設ける損益勘定(そんえきかんじょう)という勘定に収益項目と費用項目を集めて、当期純利益を算定して資本勘定に振り替える一連の手続きをいいます。

 具体的には売上などの収益項目を損益勘定の貸方に記入し、売上原価(三分法の場合には仕入勘定)や販売費などの費用勘定を損益勘定の借方に記入します。

決算振替仕訳

 それでは、次に各勘定口座を締め切る流れを確認していきましょう。

 具体的には次のような手続きになります。

費用・収益勘定の締切

資産・負債勘定の締切

損益勘定・資本勘定の締切



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