仕訳一本勝負(日商3級仕訳問題)第7回解答・解説

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日商簿記3級 仕訳問題解答・解説

 
借方科目 金  額 貸方科目 金  額
通信費
雑損
7,000
5,000
現金過不足
仮払金
10,000
2,000
未収入金
固定資産売却損
100,000
15,000
備品 115,000
給料 300,000 当座預金
立替金
預り金
212,000
50,000
38,000
前払金 10,000 当座預金 10,000
当座預金
受取手形
150,000
250,000
売掛金 400,000

ワンポイント解説

1. 問題文の読み取りに苦労する不親切な問題。本試験でこのような問題が出題されたら焦らないで後回しにしよう。本問は、期中に支出していた概算旅費の一部のみ計上されており、回収された現金については未処理だったという過去に例のない日本語の理解力が試される問題でもある。現金が回収されているのに帳簿は未処理だと実際現金は多くなり、通信費の計上漏れのように現金が支出されているのに帳簿は未処理だと実際現金は少なくなる。期中の誤差¥10,000 の原因は下記の通りである。

過不足△¥10,000=+旅費回収現金¥2,000 △通信費計上漏れ¥7,000 △不明¥??
不明分は差額で求めて¥5,000 と判明し、雑損勘定へ振り替える。

2. 期首に売却されているので減価償却については考慮する必要はないが、直接法で記帳されているので仕訳には注意したい。なお、備品の売買は通常の営業取引ではないので売掛金ではなく未収入金勘定を使用する。

3. 従業員個人の生命保険料などを立替払いしているのは実務でもよくある事例の一つ。この場合は立替金(従業員立替金)勘定を使用する。所得税を徴収して従業員の代わりに納付する預り金の処理と混同しないようにしましょう。

4. 第6回仕訳問題の4と逆の立場の仕訳になります。商品を仕入れる際に手付金を支払う側は前払金勘定で処理し、取引内容が確定していない場合に用いる仮払金勘定で処理しないよう留意しましょう。

5. 裏書手形の取引はこのように複合仕訳で出題されることが想定されるが、比較的安易な仕訳になることが多く、しっかりと得点源に結びつけて欲しいところである。