43歳から簿記の勉強を始めました。3ケ月ほど勉強して3級に受かり、半年後には2級に合格しました。
勉強の動機は、リストラにそなえて経理の知識を仕入れておこう、といった程度でした。ですから、2級でやめてもよかったのですが、どうせならば1級をとっておけばハクがつく、と思って挑戦しました。正直、ずいぶんと甘く考えていました。第95回の試験結果は、商、会、工、原(以下同順)の順に、7、8、13、11の合計39点と、さんざんでした。
続く第96回は、14,12,19,9の合計54点。少しは自信があったので、ショックでした。しかし、こうも考えました。1回目より、15点上がった。ならば、次はさらに15点、プラス頑張り分で1点を積めば、ぎりぎり70点で合格できる。ここで、作戦を立て直すことにしました。 2回の受験でわかったのは、1級では、非常に広い知識と計算方法が、頭の引き出しに上手に収納され、いつでもパッパッと、出せなければならない、ということです。正直なところ、頭の固くなった中年には、つらいことです。同世代の人ならわかっていただけるでしょうが、10個のことを覚えたつもりでも、9個はいつのまにか消えていってしまうのですから。 ま、泣き言をいっても、しようがありません。なんとかしようと、次のようなことをやりました。
(1)サブノートを作成
ルーズリーフノートを使いました。差し替えがきいて、便利です。また、コピーしたものをそのまま綴じるために、ルーズリーフ用のパンチも買いました。ノートで工夫したのは、テキストではよくわからないことを、自分の言葉に置き換える、ということと、覚えにくいことを、語呂合わせにする、ということでした。こうして作った、言わば自作の参考書を、頻繁に読み返して、物忘れ防止に努めました。
(2)自作の問題集を作成
過去問題集から、会計学の問題を縮小コピーして、切り取り、100円ショップで買ったシステム手帳にファイルしました。この自作問題集を持ち歩き、少しの空き時間を使って解くようにしました。例えば、女房が買い物をしている間、休憩所でひとつ、ふたつの問題は、楽に解けました。
(3)解答時間の分割を割り切る
総合問題を解くためのまとまった時間というのは、なかなかとれません。そこで、この時間を分けても良い、と割り切ることにしました。例えば、40分で解くべき問題があったとします。しかし、午前中は20分しか時間がない、というとき、20分だけ、問題を解きます。残りは午後、あるいは次の日に、20分かけて行うのです。邪道といわれるかもしれません。しかし、今日は時間がないから明日にまわそう、翌日になったら、また今日も時間がないから明日にしよう、と考えて何もしないよりは、はるかに良いと思います。
こうして受けた第98回の試験で、無事合格しました。点数は、18、17、15、22の合計72点でした。ぎりぎりじゃないか、と笑われそうですが、走り高跳びと同じです。バーの高さが70センチ(点)なのに、必死に100センチ(点)跳ぶ必要はないわけです。
使ったテキストを紹介します。
(イ)とおるテキスト 全4巻 (TAC)
(ロ)過去問題集 (TAC)
(ハ)予想大会ビデオセット (TAC) ---(これ、結構お勧め品です。)
また、独学で勉強した結果、受験料を含めた全費用は、5万円ほどですみました。以上、1級を目指す方、特に中高年の方の参考になれば幸いです。