税理士を目指したきっかけは商業高校で簿記の魅力を知り、先生に言われた「簿記を専門にしてる税理士って資格がある。税理士になったら儲かるぞ」って半分以上嘘な言葉がきっかけでした。
高校に入学する前にはとっくに不況が始まっていて、就職も減ってきていたのもあり単純に高校行って大学行ってOLになるって道に疑問が持っていて、資格や自分の技術を活かした専門職に就きたいという憧れもありました。 それなら、簿記というおもしろい世界にいけるのなら税理士もいいのではないかという、今考えればかなり無謀なスタートだったと思います。
私の税理士受験のスタートは専門学校の本科生で、初受験は19歳のときでした。
受験生の立場や環境はいろいろあると思うのですが、勉強に専念できる環境であるのなら本科を選ぶのも有効だと思います。 私自身本科で勉強していて、途中から働き始めたので社会人コースを利用したのですが、社会人コースの授業の薄さや答練の少なさに驚きました。本科の半分もないのではというくらいな印象を受け、本科生のほうが合格率がいいのを身にしみて感じたのです。 授業料が高いとか、社会人コースより開催している場所が少ないという欠点はあるのですが私自身本科で、5科目の受験経験をもっていて3科目は合格済という状態で就職をしました。
2科目は働きながらの合格ですが、本科時代に合格圏内まで自分の成績を持っていけたからこそ働きながらの勉強でも合格できたと思っています。
私の勉強方法としては計算はなぜ間違えたのかとか間違えない方法とかを考えるより、たくさんの問題を解いていました。私はそのほうが自分の性格に合っていて、ケアレスミスを減らせましたし、良く間違える項目も間違えないようになっていけました。
理論は次の授業で書く理論は確実に覚えていきました。学校のランクはあまり気にしていなくてCランクまでに入っているものはすべて覚えていました。4月くらいまでは毎年、全然覚えられていないのに大丈夫だろうかと不安にも思うのですが毎日少しずつ暗記しているうちに6月半ばくらいにはけっこうな量を覚えられていて、法相同時受験時には2科目で80以上暗記できたので、繰り返していればこれくらいは大丈夫なんだと思いました。
最終的に合格しようと思うと、科目1年目で合格するつもりで頑張れたからだと思います。
1度勉強してしまうと、中途半端な理解でも何となく知っているから理解したつもりになったりして、なかなか1年目と同じ熱心さで授業を聞いたり勉強したりできませんでした。
1度の受験で合格してしまうのは運も必要になってくるので大変ですが、合格圏内(上位3割くらい)に入るのは可能です。そうなれば2年目以降の理解や暗記の早さが全然違ってくると思います。
私は1年目の法人税で繰延資産が20万円未満は一括経費になるという規定を固定資産の10万円未満とごっちゃにしてよく間違えていましたが2年目には確実になくなりましたし、それ以上のことも理解できるようになりました。
絶対受かるって気持ちが最後にの合否に影響してくると思いますので、最後まで諦めないことが結局は全てなんだと思います。
■ 受験してみての印象
会計学の2科目、「簿記論」と「財務諸表論」は、日商1級の「商業簿記」と「会計学」の延長線上という感覚だった。 しかし、“制限時間の中でいかに得点するか”という部分は、過去問や模擬試験で練習して慣れる必要がある。
税法科目は、文章で解答する「理論問題」と、税額(国税徴収法では主に配当額)を計算する「計算問題」からなる。 「理論問題」の対策としては、条文(実際には専門学校が出す問題集)をひたすら暗記し、それをできるだけ速く書く練習が必要になる。 この作業に耐えられるかどうかが、合格に向けての一つのポイントと言える。「計算問題」は、試験によく出る計算を、いかに速く、正確にできるかの勝負。
毎年1科目ずつ受験できる制度は便利だが、その分、受験期間が長期化しやすい。受験勉強に時間と労力を割き続けるのを、苦痛に感じることが多かった。
■ 科目別にとった対策
簿記論
【合格した年】 平成7年(第45回税理士試験)
【苦労した点】 常に練習量が足りず、大原の「実力判定公開模擬試験」などで点数が伸び悩んだ。
【勉強方法】 専門学校(大原東京水道橋)通学9月~3月までは、大原の授業を欠かさず受け、宿題を真面目にこなした。4月以降は、模擬試験の問題と、大原の「簿記論精選問題集」を繰り返し解いた。問題の中で、得点できる箇所を早く探し、そこを確実に取る練習をした。
財務諸表論
【合格した年】 平成8年(第46回税理士試験)
【苦労した点】 理論問題の答案作成。自分が理解していることを、採点者に的確に伝えるための練習が必要だった。
【勉強方法】 専門学校(大原東京水道橋)通学計算は簿記論の知識をベースに、財務諸表論独特の部分を追加する方法で勉強した。理論は個々の事項をばらばらに覚えるのではなく、他との関連に気を付けるようにした。答練の採点結果を見直したり、先生に質問したりして、「自分の答案が採点者にどう見えているか」を確認し、理論の答案を作る際の参考にした。
法人税法
【合格した年】 平成11年(第49回税理士試験)
【苦労した点】 理論、計算ともボリュームが非常に多いこと。また、受験生のレベルが高いこと。
【勉強方法】 専門学校(大原東京水道橋)通学→通信教育基礎事項の漏れをなくすことと、実際の試験で「取れる箇所を確実に取る」ことを目指して勉強した。(簡単なようですが、これが結構大変です。専門学校の教材を使って、やってみると分かります。)
消費税法
【合格した年】 平成12年(第50回税理士試験)
【苦労した点】 ボリュームが少ない分、完璧さを要求されたこと。
【勉強方法】 通信教育。理論は大原の「理論サブノート」を全て覚えるとともに、できるだけ多くの応用理論問題に挑戦するようにした。計算は、少しのミスが致命傷になりかねないため、総合問題を解く際には、ケアレスミスに特に気を付けた。
国税徴収法
【合格した年】 平成14年(第52回税理士試験)
【苦労した点】 勉強する範囲が狭い分、他の受験生と差がつきにくく、どこまでやれば良いのか分からなかったこと。(この点は、ボリュームの少ない税法科目に共通して言えると思います。)
【勉強方法】 通信教育。専門学校の教材をマスターした後、参考書を購入し、自主的に掘り下げる勉強をした。通則法と徴収法のどこが出されても、少なくとも白紙で出すことはないように対策した。