税理士試験合格体験記

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税理士試験合格体験記

  • 水道太郎さん(1)
  • 第54回税理士試験
  • 法人税法合格

努力+願掛けで難関な法人税法を攻略。

このたび、第54回税理士試験「法人税法」に合格することができましたので、合格までの道のりを文章にしてみようと思います。法人税法合格を目指して現在勉強中の方々、将来法人税法を選択しようと考えておられる方々にとって少しでも参考になれば幸いに存じます。

○ 受講歴

私は一貫してTACで受講しており、他の受験校の授業は全く受講しておりません(ただし、本試験に近い雰囲気を経験する意味で毎年6月頃に主要な受験校O校やD校、L校で行われる全国模試は受験しました)

H13年9月~H14年3月 レギュラーコース受講

この当時は受験に専念していたこともあり、当時まだ合格していなかった簿記論、相続税法とおもに勉強していました。しかし14年4月から(今の勤務先で)働くことが決まったため、法人税法の勉強は断念しました。(因みにH14年の本試験で簿記論、相続税法合格)

H14年9月~H15年 7月 レギュラーコース受講

H15年9月~H15年12月 上級演習コース受講(この年の本試験は不合格)

H16年1月~H16年 7月 上級コース受講(この年の本試験にて合格)

○ 計算

レギュラーコースのときは次の授業までにトレーニングを1回解き、何とか時間を見つけて月終わりまでの実力テストまでにもう1回トレーニングを解く、そういう学習方法を取っていました。その上で、週末等の時間で個別・総合計算問題集を解き、難しい問題にも慣れるようにしました。

2年目の上級コースでは「上級演習」と「講義」が交互にあるので、講義が終わった後、次の講義までにトレーニングを最低2回解くように心がけました。苦手な分野や忘れやすい分野については暇を見つけて解く回数を増やしました(最も解いた問題では5回以上解いた問題もあるかと思います)。

日曜祝日等まとまった時間の取れるときには上級演習の解き直し、個別・総合計算問題集も手をつけていました。

法人税法の計算で重要だと私が感じたことは「総合問題を解くに当たって自分が最も解きやすいパターンを身につけること」「転記で点数を取れるところは絶対に落とさない」ことです。

前者についてですが、大まかに言って私は「別表4租税公課→営業経費関係(交際費・寄附金・繰延資産等)→圧縮記帳・減価償却→引当金→受配・所得税額控除・外税控除→別表1」という順に解いていました。上級コースでは殆どずっとこの順番だったと思います。

次に後者ですが、「転記で点数を取れるところ」、これは見つけたら私はその場で解答用紙に書く癖をつけていました(減価償却超過の認容減算、未払寄附金等の否認、圧縮積立金・特別償却準備金等の積立等)。

○ 理論

理論マスター(個別理論)の暗記についてですが、これは相続税法の合格体験記でも書きましたが、結局、「覚えては忘れ、忘れては覚え」の繰り返しを気長に積み重ねることです。仕事をしながらの学習でしたので行き帰りの通勤電車の中でもなるべく理論マスターを開くようにしていました。

次に応用理論対策ですが、私は法人税法で問われることがままある「事例形式」の応用理論が大の苦手でした。そこで、市販の理論ドクターを早めの時期から目を通すのはもちろん、直前期(の授業でも最後の方)に配られる「合格情報」というテキスト(法人税法の全講師による理論の予想問題が載っている)に毎日目を通すことにより柱上げの練習に力を入れました。「今自分が今覚えているのは法人税法の論点なのか租税特別措置法の論点なのか、ということを常に意識すること」は相続税法の時と同じです。

なお、理論マスターの暗記に当たっては、法人税法の規定は青色、同法施行令についてはオレンジ色、租税特別措置法については緑色、同施行令はピンク色、国税通則法は黄色と、5色の蛍光ペンを使い分けてマーキングしていました。

○ その他、私が取った勉強方法を書いてみます

法人税取扱通達(基本通達)の「第七章 減価償却資産の償却等」「第八章 繰延資産の償却」、租税特別措置法関係通達の「第八章 交際費等の課税の特例」をコピーして持ち歩き、電車の中で目を通していました(交際費等は本試験では間違えると痛い論点なだけに、直前期は特に頻繁に目を通すようにしました)

(なお、法人税法の通達集は余りにも分厚いので全てに目を通すのは不可能と言ってもいいかも知れませんが、その中でもどこに目を通せばよいかを上級コースでお世話になった先生に相談したところ、経費関係の部分は一度でも目を通す価値はあるとのアドバイスを頂きました。)

あと勉強には全然関係ないのですが、2年目のゴールデンウィークに京都の下鴨神社で絵馬に「第54回税理士試験法人税法に合格できますように」と書いて「願掛け」をしました。

以上長々とした文章になってしまいましたが、来年(以降)法人税法を受験される方々が無事に合格されますよう、ご検討をお祈りしています。ありがとうございました。

  • 水道太郎さん(2)
  • 第52回税理士試験
  • 相続税法合格

仕事と両立で相続税法を2年で合格!

このたび、第52回税理士試験「相続税法」に合格することができましたので、その合格体験記を書いてみようと思います。今年(以降)相続税法を受験される方々の参考になれば幸いに存じます。

■ はじめに(お読み頂くに当たって)

この合格体験記をお読み頂くに当たっては、次のような前提条件があるのでこれらのことを念頭に置いた上で、お読み下さい。

●1年目(第51回-平成13年)の受験では不合格になっており、2年目の挑戦で合格できたこと

●1年目は「レギュラーコース」を受講し、2年目は「上級コース」を受講したこと(なお1年目の受験の後、9月から12月まで「上級演習コース」を受講しています)

●平成14年3月までは受験に専念しており、4月以降は仕事をしながらの勉強になったこと

従って、「純粋に仕事をしながら1年で合格を目指す」ためのアドバイスにはならないかも知れません。あらかじめご了承下さい。それでは、計算、理論に分けてご紹介します。

■ 計算

まず目標にしたのは「本試験レベルの総合問題を60分で税額まで出せるようにする」ということでした。そのためには「反射的に答えが浮かび、手が動く」ようにする必要があります。そのためTACの教材(トレーニング、個別・総合計算問題集、財産評価問題集、上級演習、答練)を活用しました。 具体的には、財産評価問題集とトレーニングでまず基礎固めを図り、さらに総合計算問題集でスピードをつける、という方法を採りました(特に財産評価問題集は3回転以上はさせたと思います)。正直、問題集が3冊もあると全部はなかなか手が回りません。個別計算問題集は一応購入しましたが、確認のために用いるという感じでした(上級演習やトレーニングの解き直しでカバーできると思います)。なお、他に総合問題対策として、上記問題集に加え、上級演習と答練を税額が正解できるまで解き直しました。

■ 理論

まず理論マスター(個別理論)の暗記ですが、正直、楽に暗記できる特効薬というものはないと思います。結局、「覚えては忘れ、忘れては覚え」の繰り返しを積み重ねるしかないのではないでしょうか。しかし、「絶対に覚えてやる」という気合を持って地道にやれば決して不可能なことではないと思います。

因みにTACの先生は「声を出して覚える」方法を勧めておられましたが、私は「ひたすら目で追って覚える」方法を採りました(初めは書いて覚える方法もやってましたが、あまりに時間がかかるのでやめました)。どの方法がやりやすいか、これは個々の受験生によって異なると思います。税法の勉強に慣れていない方は色々な方法を試してみて、早く自分に合った方法を見つけて下さい。

それから、特に受験生の皆さんに強調したいのが、「今自分が覚えているのは相続税法の規定なのか租税特別措置法の規定なのか、相続税の制度なのか贈与税の制度なのか、ということを常に意識すること」です。と言うのは、本試験の理論は「○○について述べなさい、ただし租税特別措置法については説明を要しない」とか「相続税の制度で、○○について述べなさい」とか、とにかく色々な作問が可能だ(当然、問題によって解答の範囲も変わってくる)からです。

またそれにより、応用理論対策にもなります。理論の場合、「書かなくていいことを書いてしまった(そのため計算に時間が割けなかった)」とか「書くべきなのに書かなかった(解答の柱漏れ)」(こちらの方が悲惨)という恐ろしいことが起こり得るのです。

応用理論対策については理論ドクターや過去問に目を通し、柱挙げの練習ですが、個別理論の暗記が完璧であるほど、応用理論対策も楽になると思います。個別理論を制する者は応用理論を制す、とにかく個別理論の完璧な暗記を目指して下さい。

■ 雑感(合格と不合格を体験して)

1年目不合格に終わっての感想ですが、「税法は理論が大切なのは事実、しかし理論に偏った勉強も問題がある」ということです。私にとって相続税法は初めての税法だったこともあり、「とにかく個別理論を完璧に」という意識が強すぎたため、直前期になっても理論に偏った勉強をし、計算の勉強が疎かになっていた感がありました。結果、本試験では問題を読みきれずに「みなし財産(生命保険金)」でミスをしてしまいました(不合格の原因はそれだけではないかも知れませんが)。 確かに理論が書けないと合格できない(それがAランクの理論ならなおさら)のは事実ですが、だからと言って計算の学習も疎かにしないように受験生の皆さんに申し上げたいのです(実際、9月からの上級演習コースでは「計算の強化」をテーマに勉強に取り組んだ結果、年明けの上級演習では全15回のうち半分近くは計算で満点を取れましたし、平成14年の本試験でもTAC配点で42~43点は取れたと思います)。

正直、文章を書くのに慣れていないため、長々とダラけた文章になってしまいましたが、最後まで読んで下さいましてありがとうございました。相続税法受験生の皆さんの合格をお祈りします。