平成28年度行政書士試験を受けて来ました。

皆さん、お久しぶりです(^▽^)/

ちょうど桜が咲く頃に何を思ったのか、今年の行政書士試験にチャレンジしてみようと思い先日11月13日(日)に行われた試験を受けて来ました。本当は別の国家試験を目指したかったのですが、思い立った時期が悪くて来年にせざるを得なかったので今年の目標は行政書士に切り替えてひたすら7ヶ月間勉強してきました。

20161113.jpg

目指すと言っても、簿記と違って全く未知の世界で法律の知識はゼロ。特に一般知識は酷く、この時点でロンドン条約とかOECDとか言われても一体何の事か全然分からないおバカレベル・・・(;^ω^)
本当の意味で白紙の状態で目指しました。確かに短期合格する人も居ます。でもその殆どが以前に法律を学んでた経験があるとか、公務員試験を目指してたとか、学生の時に政治経済にやたら強かったとか最低限の何らかの強みを持ってたはずです。自分みたいに全くの白紙のゼロレベルで短期合格を目指そうという人は相当珍しい部類だと思います。そして、こんな苦しい事になると知ってたら多分やめてたかも知れません。

巷では行政書士試験なんて簡単。国家試験とは名ばかりで誰でも取れる。定年後のボケ防止にやるようなもんだとか言われてましたが冗談じゃない!ふざけんな!無理無理。とんでもなく厳しい試験でした。働きながら7ヶ月でどうこう語れるほど全然甘くありません。まず求められる知識の範囲が膨大で深さも相当突っ込んだとこまで問われます。本当に苦しくて、夏以降は限界まで追い込んで勉強しました。その証拠に8月以降は仕事と勉強とポケモン(え?)以外の記憶が全くありませんから。

まあ、この試験について語りたいことは色々あるのですが、とりあえず今年の本試験を実際に受けての雑感を記憶のあるうちに書き残したいと思います。

20161113-kyoto.jpg

ここで簡単に行政書士試験の内容について触れておきましょう。
試験科目は、法令科目である基礎法学・憲法・行政法・民法・商法(会社法)の五肢択一問題が40問160点。
多肢選択問題は憲法1問と行政法2問で24点。40字程度の記述式問題が行政法1問と民法2問で60点。
そして一般知識が五肢択一問題で14問(5問以下の正答だと足切り)56点。合計300点満点です。
試験時間は3時間とかなり長時間。結構タフなのです。

合格は絶対評価で6割180点以上を取らないと合格になりません。また、一般知識24点、法令科目122点を取らないと足切りになる少し特徴的な試験になってます。今の試験制度になってから法令科目重視で難化しており、合格率は8%前後で推移しております。ただ去年は13%台で大盤振る舞いをしており、今年は確実に難しくなると言われておりました。

まあ、一言でいうと6割取れば合格出来るのですが、大票田である行政法と民法を得点源にしないと合格は非常に厳しくなります。そんな試験です。

前置きが長くなりましたが備忘録として本試験の事を書き残しておきます。
また、これを読んでも僕のレベルが低いので参考にはならないと思います。

基礎法学(0/2)

問題1は裁判員制度の平成23年の最高裁判決の一部からの出題でしたが、以前にどこかで目に触れていたはずなのにド忘れしており、必然的に自力で解くしか無く、肢1と5で悩んだ挙句5を選択して間違える。結局基礎法学は1問も取れない酷いスタートとなった。

憲法(3/5)

問題3は変わった形式の出題ですが、まともに解いたら15分は掛かろうかという問題なので適当にスルー。問題4・6・7の最高裁判例の問題は取れたが、一番簡単な問題5を痛恨のミスで落としてしまった。今年の憲法はやたら判例問題が多く凄く難しく感じた。

行政法(14/19)

難易度は易しいと感じたが致命的なミスを犯してた。問題16と問題20は問題文を読み違いしていた。特に問題20の肢2はかなり珍しい引っ掛け方なので間違った人は多いと思う。問題26の朝日訴訟の最高裁判例は全く知らなかったが深く裏読みし過ぎた。生活保護受給権が相続の対象にならないのは誰でも知ってるが、こんな出題のされ方をするので肢4がもしかしたら・・・と思ったが素直に解答すれば良かったのか。
行政不服審査法が2題から3題に増えていたのと国家賠償法が1題になったのと、判例の問題がやたら多いなと思った。結局正解は14題のみと思った以上に間違ってて非常に落胆した。感覚的に15~16は取れた問題だったのになぁ(´・ω・`)

民法(5/9)

最初の3問がサービス問題だったので喜んでいたら後半は厳しくて折れそうになった。問30の不動産先取特権は、実は記述対策でかなり突っ込んで勉強していたので見た瞬間歓喜したが、しっかり間違えて最初のダウンを喫してしまった。根抵当権は過去問からそれなりに難しい出題がされていたので、本試験で出たら恐らく更に難しい問題になると思いスルーにする予定だった。なので問31は今回の問題で唯一問題文を読まないで直感で解いたが結果は甘くなかった。問題35の簡単な養子の問題も落としたのは痛かった。痛すぎる。この難易度の民法で6問以上取れてないのは本当に残念だった。

商法・会社法(3/5)

今年の商法・会社法は易しく感じた。と言うのも商法・会社法を本気でやったのは試験直前の最後の3週間のみなのだ。正直捨てる気でいた科目(戦略上捨てる人が多い科目です)だったが色々思うところがあって直前期に一生懸命仕上げた科目。直前期にインプット学習をやるのは絶対止めとけと誰もが言うと思うし、当たり前だが3週間でどうにかなる科目ではなく、ちょっと後悔していたが本番では奇跡が起こった。商法1問と会社法2問は真面目に勉強している人なら簡単に取れたからなのだ。この3週間の努力がモロに実を結んでしまったのだ。例年並みなら恐らく3問も取れてないのでラッキーだった。ツキに見放されてないかもと思った。

多肢選択(7/12)

問題42は超有名な成田新法事件からの出題でほとんどの人は簡単に感じたようだったようだが、恥ずかしながら今までこの判例を詳しく読んでなくて1つしか正答出来なかった。多肢選択で7問しか取れなかったのは記憶にあまりないので相当ひどかったと思う。やっぱりツキが無いのかと凹んだ。

記述問題(?/3)

今年の受験生の多くが合否を分けるのは記述の出来次第と言われてます。特に問46は何を書いていいのかサッパリ分からずヤケクソで書いたが、解答見たら結構クリティカルヒットしているようでビックリした。問46は試験の一番最後に回して書いたが、土壇場で試験の神様が降臨したかも知れない。こんな事もあるんですね。

どういった採点基準になるかは何とも言えませんが、一応3題とも部分点はそこそこ貰えるだろうと思うような答案じゃないかと思う。ただ3題どれもが何か一つキーワードが抜けてるので正直0点でも文句は言えないと思う。記述の採点が甘く部分点を考慮してくれるなら合格の可能性はあるかと思います。

話題の問46は、民法の記述問題で2年連続家族法から出題されたのに驚愕しましたが、誰も目に触れたことも無いような昭和46年7月23日の慰謝料請求事件?の最高裁判決からの出題ですから、茫然自失となった受験生は多かったと思います。しかし、そのような場合でも白紙は絶対に避けろと各予備校の講師は言ってたハズなので、現場でいかに柔軟に対応出来たか・・・が勝負の分かれ目だと思います。特に合否に絡む実力のある人は、実際に何かしらの事を書いてきたようです。

一般知識(8/14)

足切りに泣かされる恐怖の一般知識ですが、出題傾向が大きく変わったなと言うのが第一印象。個人的には良問だと思いました。と言うのも今回は時事問題が多くて、常に世間に対して情報のアンテナを張っていれば解けた問題が多かったと思います。問題47みたいな爆笑もののネタ問題をぶっこんで来たのもお約束みたいになりつつありますが、予備校の問題に慣れると意外と間違った方もいるのではないでしょうか。と言うのもあまりにも間違えてる箇所が堂々としすぎて気付かなかった可能性もありそうです。日付とか細かい所にばかり気をつけるので「ソ連が長崎に」のソ連が見えなくて最初は肢1を塗ってましたからね(笑)

まあ、今回驚いたのは個人情報保護法、行政機関個人情報保護法など情報分野の本命が全く出題されなかったこと。その代わり公文書管理法のマイナーな箇所から出題された。一般知識で足切りを避けるためにこの分野を重点的に勉強していた受験生も多いと思うのだが・・・いいのかこれ?(´ω`;)

問58~問60の文章理解は模試では毎回ほぼ満点を取ってたのですが、今回は簡単すぎた?!のか何故か最後の問題60を落としてしまった。これが取れていればとも思うが仕方のないところだろう。足切りをクリアして8問32点取れたのはまずまずだと思う。最後の2ヶ月は有名な政治経済のセンター試験対策の参考書を読み込んで、着実に実力を底上げ出来たのも自信につながったと思う。それまでは一般知識の問題を解く時は酸欠の金魚状態でしたし、模試でも一般知識だけいつも平均点以下でかなり落ち込みましたからね。

本試験は合計すると記述抜きで146点でした。

なので、記述が60点のうち34点以上あれば合格です。正直ちょっと足りないかも。ちなみに全国公開模試も市販されてる模試も解きまくりましたが、学校・出版社関係なく毎回安定して記述抜きで150~160点台で推移してました。得意な科目も無いけど苦手な科目も無いので安定してたんだと思います。なので、割と手応えが良かった今回の本試験の内容で点が伸びなかったのは意外でした。
試験後に情報を集めてたら記述の採点サービスを行っている予備校があるようです。資格スクエア、TAC、LECは記述採点サービスを行っているので早速申し込みました(^ω^)
法令択一はいつもの模試より10点位は悪いですが、結果はどうであれ最後の2週間は倒れるんじゃ無いかと思うほど追い込んだし、間違いなく自分は頑張ったと言い切れます。だから全く悔いもありませんし、とりあえず合格発表を楽しみに年を越せるには悪い気分じゃありません。一般知識が足切りならその場で終了ですもんね。

記述を甘めに採点してくれたら・・・なんて期待はしたいですが、正直7ヶ月じゃ何も分かってないに等しいし、恥ずかしいレベルなのでもう1年やってもええかなとも思ってます。ただ、この試験は全くの初心者でも働きながら一発合格は十分可能だと思いました。また、よっぽどズバ抜けてる人以外は100%合格出来る保証はないと言える厳しい試験です。試験範囲が青天井なのである程度の運も必要なんですね。本当にこの半年間は新鮮で面白かったです(最後は死にましたけど)。

ハッキリ言ってこの試験を甘く見ないで欲しいです。半年で簡単に合格出来ると信じ込んでた春先の自分を殴り飛ばしたい気分です。確かに受験する人の7割はまともに勉強されてないような感じはします。ただ、残りの3割は結構ガチ勢のようで、いくら勉強しても上位との差がなかなか埋まりません。最後の1ヶ月は本当に苦しかったなぁ。

僕は行政書士が最終目標では無いので、来年の本命の国家試験合格に向けてまたスタートを切りたいと思います。正確にはもうスタートしているのですが、行政書士試験に集中するため1ヶ月近くお休みしてたんですよね。こっちの勉強も面白いので遅れを取り戻したいと思います。

(注)外国からのスパムが多いのでコメント欄を閉じました。すいません。

-->